シュロの木は南国の海辺に良くあるヤシの木と同じ種類ですので、多少の強風で倒れることはありませんが、かなり揺れるのであまり背が高くなるとやはり不安ですよね。
シュロの木の伐採は植木屋でも難しい場合がありますので、ここではシュロの木の伐採方法についてご紹介しましょう。
シュロの木を伐採する方法
シュロの木の伐採は三脚の脚立(3.6mほど)で十分に頂点に届いたり、高所作業車が使えるのであれば少し手間が掛かるだけで難しい訳ではありません。
しかし、三脚の脚立で届かない高さになると一気に難しくなります。
ご存知の通り、シュロは一本立ちの木なので登る為に足を掛ける場所がありません。
こうなると長尺(長い)ハシゴをシュロに立て掛けてから、ハシゴをシュロにくくりつけ曲芸の様な状況で作業することになります。
8mにもなれば十分に命を落とせる高さですし、バランスが取れず本当に危なく、作業している方も怖いです。
また、家の庭に植わっているシュロは何故か大半が狭い場所に植えられているので、上で切った幹を簡単に下に落とせないという理由も大きいですね。
そのため、切断する上の部分と下の部分をロープで固定して、上が落ちないように慎重に切って行く必要がありますので、時間と手間暇も掛かってしまいます。
シュロの木の伐採が難しいもう1つの理由
シュロの木の伐採が難しいのには高さの他にも2つの理由があります。
上の画像の通り、シュロの幹周りには葉の切り痕や繊維(葉鞘:ようしょう)が張り付いているので、チェンソーで一気に切るということが困難になります。
チェンソーも慎重に行けば使えますが、よほど木を付けないと繊維が絡んでしまってチェンソーを壊すことになるので植木屋としてもあまり使いたくありません。
そのため、基本的にはよほど太くない限りは、ノコギリやナタなどでコツコツと切る必要があります。
切りやすくなるまでガッチリと付いている葉の痕を取ったり、繊維をめくったりと大きければ大きいほど手間がかかりますね。
この繊維をめくる作業を怠ると、切った後の幹を抱えた時にズルっと外側の皮が剥けて、中身の幹が下に落ちてしまって危険なので要注意です。
伐採したシュロの木は抜根した方が良い?
シュロの木の抜根は伐採した後の幹に穴を開けて除草剤などを定位的に流し込んでおけば枯れるのも早くなりますし、2年~3年も経てば掘り起こすのも難しくないでしょう。
しかし、伐採した木はシロアリなどがつかないようにできれば早めに抜根してしまった方が良いですね。
抜根を前提に伐採するのであれば、主幹は地面から1mほど残しておけばテコの原理で揺さぶれるのでかなり楽になります。
ただ、シュロの木の根っこはとても重く頑丈に出来ているので、背が高くなって伐採したレベルのシュロであれば抜根は休憩しつつ2時間~3時間は掛かると思っておいた方が良いでしょうね。
シュロの木はシンボルツリーには向かない
この記事を読んでいるということはすでに大きくなって困っている人ばかりだと思いますので関係ありませんが、万が一シンボルツリーとして植えることを考えている人が見ているならお勧めしませんので止めておきましょう。
変わり種のシンボルツリーとして昔からチョコチョコと植えられているシュロの木ですが、基本的には庭に植えるのはどうかと思います。
なぜなら、シュロの木は放置しておいても勝手に育つので楽な木なのですが、高さを抑えるということが出来ません。
高さを低く抑えたいからと、主幹を切ってしまうと何も生えてこない棒になって枯れてしまうだけです。
大きく育てないということが出来ないシュロは軽く2階の屋根を越えて10m位まで育ってしまうので、どうしようもありませんね。
シュロの木の伐採・まとめ
過去に庭が広いから大丈夫だと思って、植林の伐採作業で見る様にシュロの木を一発で根元から切ろうとして、家に向かって倒れて事故になったお客さんがいました。
シュロは水分をたくさん含んでいるので見た目より遥かに重いので、倒れる方向をコントロールしようと引っ張ってもどうにもならなかったという話でしたね。
3m以上の脚立を持っている一般家庭も無いと思いますし、背の高い脚立は価格も高いので購入するくらいならいくつかの植木屋さんに見積りを頼んで安いところで決めた方が間違いなく安く付くでしょう。
とにかく、伐採できないことはありませんが、シュロは本当に難しいので十分に気を付けてくださいね。